3大栄養素にビタミンとミネラルを加えたものを5大栄養素といいます。ビタミン同様、ミネラルも私たちが生きていく上で必要な栄養素です。
ミネラルについて
ミネラルは日本語に訳すと”鉱物”を意味します。体内でつくり出すことができないため、食事を通して摂取する必要がありますが、不足だけではなく摂りすぎにも注意が必要です。
ミネラルには、必須ミネラルと有害ミネラルがあります。
(ここでは必須ミネラルについて書きます。)
ミネラルの主な働きはビタミンの働きを助け、体液量や酸・アルカリのバランス、筋肉や神経の働きを調節します。
酵素や補酵素の材料として代謝活動でも重要な働きをしています。その他にも身体組織の材料にもなり、細胞や臓器の働きと深く関係しています。
必須ミネラル(重要ミネラル)
主要な必須ミネラルの特徴を紹介します。
カルシウム Ca
ミネラルの中でも最も重要で、丈夫な骨をつくるのに欠かせないミネラルです。また、血液の状態を正常に保ち高血圧の予防や精神を安定させる働きもあります。不足するとイライラしやすくなったり骨がもろくなってしまいます。
多く含まれる食品
・小魚
・乳製品
・海藻類など
マグネシウム Mg
カルシウムとバランスをとりながら、体の機能に重要な働きをしています。多くのエネルギー代謝に深く関わっています。筋肉の伸縮や精神を正常に維持するためには欠かせないミネラルです。不足すると疲労感が残りやすくなったり不眠になったりします。
多く含まれる食品
・海藻類
・大豆食品など
鉄 Fe
酸素を全身に送る働きをします。体内に取り入れられた鉄は、約60%が血液中のヘモグロビンとして形成されます。また月経時には多くの鉄が失われるため、女性にとって摂取が必要なミネラルのひとつです。不足すると貧血が起こりやすくなったり動悸や息切れしやすくなります。
多く含まれる食品
・レバー
・ひじき
・ほうれん草など
亜鉛 Zn
細胞分裂や酵素の働きを活性化させるなど代謝に関わっています。味覚や性機能を正常に保つほか、髪の毛や肌トラブルとも深く関係しています。銅とのバランスが重要で、銅の過剰摂取は亜鉛の働きを妨げます。不足すると味覚に異常が生じたり風邪を引きやすくなります。また、男性の性機能障害EDの原因となります。
多く含まれる食品
・カキ
・肉類卵など
カリウム K
ナトリウムの量を正常に保つ働きをします。不足すると高血圧や気力低下、食欲不振に影響します。
多く含まれる食品
・バナナ
・さつまいも
・アボカドなど
銅 Cu
鉄の働きを助けるミネラルです。貧血の原因は鉄不足といわれていますが、銅がなければうまく働くことができません。不足すると貧血が起こりやすくなったり、骨粗鬆症になりやすくなります。
多く含まれる食品
・魚介類
・レバー
・ナッツ類など
ナトリウム Na
多くのミネラルは不足しがちですが、ナトリウムは、塩に含まれるため過剰摂取が問題になっています。普段口にする食べ物には多く含まれており濃い味付けが好きな方は注意が必要です。多く摂りすぎてしまうと…高血圧や発がん率が高まります。腎臓病になりやすくなります。
リン P
骨や歯をつくるのに役立つだけではなく、筋肉や内臓の働きとも深い関係があります。多くの食品に含まれるため過剰摂取には注意が必要です。多く摂りすぎてしまうと…カルシウムやマグネシウムが吸収されにくくなります。
これらの他に、セレン・マンガン・イオウ・塩素・クロム・コバルト・ヨウ素・モリブデンがあり必須ミネラルは全部で16種類あります。
ミネラルバランスの重要性
体に必要なミネラルについて紹介しましたが、これらのバランス、いわゆる”ミネラルバランス”にも注意する必要があります。
例えば、カルシウム・マグネシウム・リンの3つは体内で相乗的に働くのでお互いの比率が重要です。これらの血中濃度は体内ホルモンによってコントロールされますが、食事での偏りが大きいと血中濃度に悪影響を及ぼします。
まとめ
ミネラルは、体内に吸収されにくく単に摂ればいいというわけではありません。吸収しにくいミネラルをいかに吸収しやすく、体の中で有効活用するかが重要です。
そのためには体内で「イオン化」される必要があります。「イオン化」されないミネラルは吸収できずに体外に排出されてしまいます。
ビタミンとは異なり、ミネラルは体内でいかに利用されるかを考える必要があります。