はじめに
働く女性が増え、高齢出産、深刻な不妊問題は、少子高齢化や人口減少の追い風にもなっています。
日本人女性にとって、早い段階で食事を含めた正しい知識を持つことの大切さが問われる時代です。
実は、意外にも腸と妊娠力にはとても深い関係があります。
腸内細菌のおさらい
まず、腸内細菌についてのおさらいです。
日本は”発行の国”と呼ばれるほど、発酵食品を日常的に取り入れています。
▷発酵食品の詳しい記事はこちら
発酵食品の摂取は、善玉菌優位の良好な腸内環境をつくるいちばんの近道といえます。
子宮内フローラって?
以前までは、無菌だと考えられてきた子宮にも、腸内細菌で例えられる「腸内フローラ」の様に、「子宮内フローラ」が存在することが、わかってきました。
子宮内フローラが乱れて、子宮内の善玉菌が少なくなると、子宮内膜で免疫が悪さをするために活性化し、胚を異物として攻撃してしまう可能性があります。これにより、着床・妊娠の継続に影響があると考えられています。
乳酸菌は膣内にも存在する
腸に良さそうなイメージのある“乳酸菌”について、実は腸だけではく、膣内にも乳酸菌がいるとご存知ですか?
膣内に生息し、膣内環境を正常に保つ役割があり、この乳酸菌の産生する乳酸のおかげで、膣内のpH値が酸性に保たれ、病原細菌の侵入や増殖を防いでくれています。
子宮内や膣内の乳酸菌を知る
乳酸菌と聞くとヨーグルトを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、ヨーグルトを含め、食事で得る乳酸菌のほとんどは腸内を整えることが目的で、膣内や子宮内の環境を整えることを目的とした乳酸菌ではありません。
妊娠するためには子宮内細菌が乳酸菌の一種であるラクトバチルス菌優位な状態が好ましいといわれています。
子宮内の細菌叢を調べて不妊治療に役立つ研究を行う医療機関も増えてきました。
子宮内フローラの検査が可能な医療機関もあります。
まとめ
今回の記事では、子宮内にもフローラが存在することを紹介しました。
腸内フローラ同様、子宮内フローラの状態が、妊娠力にも影響することがわかってきました。
腸内細菌と健康との関係は常識になりつつありますが、科学技術の進歩によって、これまで着目されてこなかった場所の細菌叢と何らかの症状との関連について、今後いくつか報告されるようになることを期待したいですね。