最近では、食生活の欧米化により、食物繊維の摂取量が減少したり高脂肪食の影響などで便秘で悩む方が多く見受けられます。また、日常生活の中での、ストレスからくる胃腸障害や便秘と下痢を繰り返す過敏性腸症候群があります。
毎日、朝にトイレへ入ってスムーズに排泄できる人ばかりではないでしょう。大便…うんちは単なる排泄物ではありません。想像以上に自分自身の健康状態を押しええくれる情報源でもあります。
あなたの今朝のうんち(便)の色や形はどうでしたか?
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便の形
最も理想的な便は「バナナ便」です。バナナの色と形をした便が2本程度出て、水に浮かぶ状態がベストです。それぞれの便の状態とその特徴について紹介します。
バナナ便(普通便)
理想的な便です。このタイプの便は、直腸からするりと出ます。健康状態が良く、食べたものの消化、吸収、排泄の仕組みが乱れることなく順調だったことを証明している便だといえます。
コロコロ便
ウサギの糞のように、小さくコロコロとした便が出る方は、腸が緊張し不安定な状態であることが考えられます。ストレスが原因の過敏性腸症候群の疑いがあります。
対処方法:食物繊維を多めに摂り、便秘解消を心がけましょう。
太くて固い便
便秘傾向の人に多い便です。腸内に留まる時間が長いため、便の水分が吸収されてしまい固くなってしまいます。
対処方法:水分を多めに摂取することや適度な運動を心がけましょう。食物繊維や乳酸菌を摂るとなお良いです。
細くて柔らかい
水分の摂りすぎや、脂質の多い食品を摂ることで消化不良を引き起こしてしまい、細い便が出ることがあります。
対処方法:普段太くて急に細い便になった場合で、身体に異常がある場合は医療機関を受診してください。
形をとどめていない
下痢や水様便は、消化吸収が不十分な状態です。1日のうち何度も繰り返し下痢が続くようであれば、腸炎や食中毒の可能性が考えられます。
対処方法:脱水になりやすいため水分補給をしましょう。下痢が数日間続く場合は専門の医療機関の受診をおすすめします。
便の色
便の色は、便の大腸通過時間で決まります。大腸通過時間が短いと明るい色で、長いと濃い色になります。便の色も、体の健康状態が大きく反映されます。
茶色系
茶色系統の便は健康な便と考えられます。色だけで健康状態は判断できませんが、形や臭いも一緒に確認すると良いでしょう。
白~灰色系
造影剤のバリウムを飲んだ後の便をイメージしてみてください。このような色の便が出たら、ウイルス性腸炎などの疑いがあります。また、胆汁の分泌が悪いときにも灰色系の便が出ることがあるので膵臓障害や黄疸の兆候も考えられます。
黒色系
黒色便は別名タール便とも言われています。血液は酸と接触することで黒ずんできます。そのため、黒色便は食道や胃、十二指腸などの上部消化管からの出血が疑われます。また鉄剤のお薬を服用されている場合、黒い便が出ることがあります。
便のにおい
便のにおいの原因は、インドールやスカトールなどのたんぱく質が腸内細菌などにより分解されたものです。タンパク質を多く含む食べ物を食べた時の便は腐敗がすすみ臭くなります。お肉を食べたときに臭いが強烈なのはそのせいです。
まとめ
今までトイレの水に浮かんだ便の色や形をみることなく、素早く水に流していた人が大半であると思います。そうであれば、せっかくの健康チェックのチャンスを見逃してしまっていることになります。便は、自分自身が食べた物やその老廃物が内臓を通過した記録を示すものです。毎朝、しっかり観察する習慣をつくってみてください。